エコフローのポータル電源・ソーラーパネルで充電しながら利用する方法

この疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。

災害時や停電時に冷蔵庫などの重要な家電を稼働させつつ、同時に充電できれば安心感が違います。

この記事では、エコフローの各シリーズでソーラー充電しながら電源利用する方法と注意点を詳しく解説します。

ソーラーパネルで充電しながら電源利用は可能か？

エコフローのDELTAシリーズに搭載された「パススルー機能」とは、充電しながら同時に電化製品に電力を供給できる機能です。これにより、昼間はソーラーパネルで充電しながら必要な家電を動かし、夜間はバッテリーだけで運用するという使い方ができます。

エコフロー公式の回答でも明確に述べられています：

ただし、いくつか注意点があります：

• 入力 > 出力の状態を保つことが理想的です
• 電池残量が0%になる前に出力を止めるようにしましょう
• 長期間のパススルー使用では、月に1回程度の満充放電サイクル(※)が推奨されています

※「満充放電」とは、バッテリーを100%まで完全に充電した後、使用して0%近くまで放電させる一連のサイクルのことです。

エコフローシリーズのソーラー入力性能比較

エコフローの各製品によって、ソーラー入力の性能は大きく異なります。以下に主要モデルの比較をまとめました。

DELTA 3

• ソーラー入力：最大500W
• バッテリー容量：1,024Wh
• 定格出力：1,500W
• 価格：¥139,700（税込）
• 特徴：コンパクトで扱いやすく、小～中規模の電力バックアップに最適

DELTA 3 Plus

• ソーラー入力：最大1000W（500W×2）
• バッテリー容量：1,024Wh
• 定格出力：1,500W
• 価格：¥149,600（税込）
• 特徴：デュアルソーラー入力により充電速度が向上、効率的な運用が可能

DELTA Pro 3

• ソーラー入力：最大2600W（1600W + 1000W）
• バッテリー容量：4kWh
• 定格出力：3,600W
• 価格：¥539,000（税込）
• 特徴：家庭用蓄電池としても利用可能な高出力・大容量モデル

実際の使用シナリオを比較！何をどれだけ動かせるか

では、実際にどのような電化製品をどの程度動かせるのでしょうか？

主な家電の消費電力の目安は以下の通りです：

• 冷蔵庫：100～400W（平均200W程度）
• スマホ充電：10～20W
• LED照明：5～20W
• 扇風機：30～50W
• 電気ケトル：800～1200W
• 小型電気ヒーター：400～800W

① 小規模運用：DELTA 3 + 200Wソーラーパネル

200Wのソーラーパネルからの実際の発電量は条件によって変わりますが、晴天時で概ね140～160W程度になることが多いです。この場合：

• スマホ充電+LED照明+扇風機（合計約60W）なら余裕で動かしながら充電可能
• 冷蔵庫（200W）だけなら、発電量とほぼ同等のため充電はあまり進まない
• 冷蔵庫を間欠運転（後述）すれば、充電と使用のバランスを取りやすい。
  ただし、間欠運転は、計画的に進める必要があり、手間もあります。手間を考えると、400W以上のソーラーパネルがあると良いでしょう。

② 中規模運用：DELTA 3 Plus + 400Wソーラーパネル

400Wのソーラーパネル（実際の発電量約280～320W）の場合：

• 冷蔵庫（200W）を動かしながらも100W以上の充電が可能
• スマホ充電+LED照明+扇風機+小型テレビ（合計約150W）なら充電も十分に進む
• 電気ケトルなどの大電力機器(1000Wほど)は短時間使用し、その他の時間は充電に回すという運用も可能

③ 大規模運用：DELTA Pro 3 + 1000Wソーラーパネル

1000Wのソーラーパネル（実際の発電量約700～800W）の場合：

• 冷蔵庫を含む複数の家電（合計400W程度）を常時動かしても300W以上の充電が可能
• 電気ケトル（1000W）の短時間使用も、バッテリーからの補助で問題なく対応
• 家庭の主要な電化製品をほぼ通常通り使用可能

効率的な運用テクニック

災害時の限られた電力を最大限活用するためのテクニックをご紹介します。

冷蔵庫の断熱性を活かした間欠運転について

冷蔵庫は扉を開けなければ、停電時でも2～3時間は冷気を保持できる優れた断熱性を持っています。この性質を活用した効率的な運用方法が「間欠運転」です。

間欠運転の基本：

1. 冷蔵庫を2時間ON → 3時間OFFなどのサイクルで運転する
2. OFF時間にはポータブル電源の充電に集中
3. 冷蔵庫の開閉回数を最小限に抑える

天候不良時の対応策

曇りや雨の日はソーラー発電量が大幅に減少します。晴れの日の30～50%程度になることもあるため、対策が必要です。

天候不良時のポイント：

• 天候不良になる前日までに十分充電しておく
• 必要最小限の家電使用に絞る(例えば、使用電力が多いドライヤーなどは最小限の時間に留める)
• モバイルバッテリーなど小型機器の併用を検討

充電しながらの使用に関する注意点

エコフローのパススルー機能は便利ですが、長期的なバッテリー寿命を考えると一定の注意が必要です。

バッテリーへの影響と対策

充電しながらの使用（パススルー動作）は、バッテリーに一定の負担をかけます。

理由は主に以下の3点です：

1. 熱の発生：充電と放電が同時に行われるため、バッテリー内部の温度上昇
2. 充放電サイクル：パススルー時も微量の充放電が発生し、サイクル数としてカウント
3. バッテリー管理システムへの負荷：複雑な電力管理による負担

おすすめのメンテナンス方法

エコフロー公式の推奨事項も踏まえ、以下のメンテナンス方法を提案します：

1. 定期的な満充放電：一ヶ月に1回程度、完全に充電→放電のサイクルを行う
2. 過熱防止：直射日光下や高温環境でのパススルー使用を避ける
3. 使用しない時期の充電：長期保管時は40～60%程度の充電状態を維持

長期利用での留意点

エコフローのDELTAシリーズに採用されているLiFePO4（リン酸鉄リチウムイオン）電池は、4000回以上の充放電サイクル（DELTA 3の場合）という長寿命設計です。日々の使い方次第で、10年以上の使用も可能です。

長期間安心して使い続けるポイント：

• 極端な使用環境（高温・低温）を避ける
• 0%まで使い切ることを頻繁に行わない

まとめ：安心して災害に備えるために

エコフローのポータブル電源とソーラーパネルの組み合わせは、災害時の強力な味方になります。本記事で解説したように、充電しながらの電源利用は十分に可能です。ただし、入力と出力のバランス、運用方法には一定の工夫が必要です。

それぞれの製品特性を理解し、自分の必要とする電力需要に合わせて選ぶことが大切です：

• DELTA 3：コンパクトで手頃な入門機。小規模な電力需要に
• DELTA 3 Plus：中規模な電力需要に最適なバランス型
• DELTA Pro 3：大規模な電力バックアップが必要な場合の本格派

災害はいつ起こるかわかりません。「備えあれば憂いなし」の精神で、今のうちに電力の備えを整えておきましょう。

エコフローとソーラーパネルの組み合わせは、その備えの中心となる頼もしい存在になるはずです。